クラレは1日、子会社のクラレファスニング社が、高耐熱性スーパー繊維PPS(ポリフェニレンサルファイド)を「マジックテープ」の両面に使用した面ファスナー「ニューエコマジック」耐熱タイプを開発し、3月1日から発売すると発表した。

　消防服や溶接現場などでの作業服には、燃えにくく、自己消火性のある難燃素材が使用されている。しかし、ボタン・ジッパー・留め具などの副素材まで難燃性能の高いものにするのは困難だった。
　
　同社は「マジックテープ」のフック部・ループ部・基布部の糸をPPSに変更した高耐熱性の面ファスナーを開発した。
　使用しているPPS繊維は、LOI値(限界酸素指数値)が40に近く、200℃の雰囲気下でも強度を保持し、耐酸性・耐アルカリ性にも優れている。
　
　主な特徴は次の通り。
(1) 製品構成はPPS繊維90%以上なので、250℃までの高温に耐える。
(2) 高温環境下にさらした後も、面ファスナーの係合力は80%以上を保持する。
(3) PPS繊維主体でバックコート剤を使用していないため、自己消火性がある。
(4)燃焼時の発煙量も従来の耐熱品と比較して極めて少ない。

　今後は、高耐熱性が要求される消防服や飛行服、溶接作業服、子供・高齢者用衣服、ふとんカバー、カーテン、カーペットなどのインテリア、建築内装材などの分野にマーケットを開拓し、初年度1億円、3年後には3億円の売上を見込む。

【クラレファスニングの概要】
(1)本 社:大阪市北区梅田1-12-39(新阪急ビル9F) TEL:06-6348-2555
(2)社 長:高岡 光彦
(3)資本金:1億円
(4)従業員数:120名
(5)業務内容:織製面ファスナー、成形面ファスナー、その他面ファスナー関連商品の開発・製造・販売。
　
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1170316746.pdf

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