2007年02月02日
容リ協によるPETボトルの引き取りの低迷続く
市町村の海外への売却が影響、21ヶ月連続の前年割れ
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 国の指定法人である日本容器包装リサイクル協会が容器包装リサイクル法に基づいて昨年12月に全国の市町村から引取った使用済みPETボトルの数量は10,167トンとなった。前年同月の実績を11.2%下回っている。これでPETボトルの月間引取り数量の前年同月割れは21ヶ月連続となった。

 これに伴う昨年4月から12月までの累計は110,355トンで、前年同期の実績を17.9%下回っている。同協会による06年度(06年4月〜07年3月)の総引き取り予定数量は、前年度比15.2%減の144,078トンである。したがってその目標に対する4〜12月計の進捗率は76.6%ということになる。向こう3ヶ月によほど大量の引き取りが実現できないと、2年連続の大幅減となる。
 
 同協会による使用済みPETボトルの引取り量は容リ法が施行されていらい毎年順調に拡大、04年度の年間総引取り量は前年比10.3%増の191,726トンとなった。しかし05年度に入ってからはどの月も前年同月を下回るようになり、同年度の総引き取り数量は前年度比11.4%減の169,917トンに縮小した。06年度はそれをさらに下回る傾向にあるわけ。
 
 こうした事態を招いている最大の要因は、一般家庭から同ボトルを分別収集している全国の市町村の中で収集ボトルを同協会に引き渡さずに貿易商社に売却するところが増えてきていることにあると見られる。財務省の貿易統計によると、PETくず全体の12月の総輸出通関数量は27,443トンとなっている。関係者の多くはそのほとんどを分別収集PETボトルが占めていると判断している。4月からの累計は216,861トンで、12月だけでなく累計でも同協会の引き取り量を大きく上回っている。なお、4〜12月合計の輸出先は香港が185,022トン、中国が76,209トン、韓国が6,635トン、台湾が2,563トンなどとなっている。香港と中国の合計は261,231トンで全輸出量の95.9%を占めている。