2007年02月05日
旭化成、中国での新ポリイソシアネート年1万トン、操業開始
無黄変ウレタン塗料の硬化剤や接着剤、インキに
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:旭化成、旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは高付加価値事業への転換の一つとして、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系ポリイソシアネート(商品名:デュラネート)を中国江蘇省の南通市で生産することになり、設備建設を急いでいたが、このほど完成した。

 デュラネートは自動車、建築、重防食などの分野で無黄変ウレタン塗料の硬化剤やインキ、接着剤,注型剤の原料などに使われる。中国では同系の製品が独バイエル、BASF、仏ローデアなどにより生産されている。

 旭化成の製品は塗料に加えると太陽光を浴びても黄変しないのが特徴。自動車のバンパー向けでのシェアが100%近い。中国での需要は年間3万トンていどだが、年率10−20%の伸びが予想されている。世界的には年15万トンていど。

 旭化成は05年11月に南通に旭化成精細化工(資本金22億円)を設立、06年初めに年産1万トン設備の建設に着手した。従業員は約70人。同社はデュラレートを宮崎県の日向工場で生産しているが能力は年産1万トン。

 原料のアジポニトリルからヘキサメチレンジアミン(HAD)をつくる工程は延岡工場にあり、HADをHDIとする工程を日本ポリウレタン工業との合弁会社・南陽化成が日向工場で担当している。旭化成精細化工はHDIをここから輸入する。