2007年02月06日
アジアでエチレン装置の定修が相次ぎスタートへ
6月末までに合計9社がそれぞれ1ヶ月強運休
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社数社の情報によると、アジア地域におけるエチレンセンターの春の定修がタイ・PTTケミカルを皮切りにスタートした。
 PTTケミカルは、年産38万5,000トン能力の第1号機を1月30日から、また同30万トン能力の第2号機を2月1日からそれぞれ運休して定修を実施中。第1号機は4月上旬まで運休、この間に同13万トンの能力増強も同時に実現する。第2号機は3月中旬に定修を完了してただちに稼動を再開する予定。

 これに続くのは韓国のLG・大山の同48万トン装置で、3月早々に停止して4月中旬まで定修を実施、同時に同29万トンの増強も行う。
 4月に入ると出光興産が千葉の同37万4,000トン設備を4月早々から1ヵ月運休、続いて中旬には韓国・サムソン・トタルが同63万トンプラントを止めて6月上旬までの2ヵ月の間に定修と同20万トンの能力増強工事を同時に実施する計画。
 5月に運休を予定しているのは三菱化学・水島の同49万6,000トン、韓国・YNCCの同55万5,000トンの第2号機、韓国・SKの同19万トンの第1号機の各設備。うち三菱化学は5月はじめから6月下旬にかけて運休し、この間に原料多様化を目的に同13万トンの分解炉を増強する。
 さらに6月には大阪石油化学が同45万5,000トンプラントを、また台湾・FPCが同103万5,000トン装置をそれぞれ定修で運休する予定。

 このように6月末まではアジア地域で定修を主目的としたエチレンプラントの運休が相次ぐ見通しで、このため上期のアジア地域の需給バランスはかなり逼迫するというのが各商社に共通した見方となっている。