2007年02月07日 |
フェノールのアジア需給、上期はタイトが必至 |
定修の集中と欧州の増設の遅れで品不足に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外) 【関連企業・団体】:なし |
フェノール(PH)メーカー大手によると、アジア地域におけるPHの今年上期の需給バランスは昨年以上のタイトバランスとなる見通しにある。 これは、需要がビスフェノールA(BPA)向けを中心に年率6%ていど拡大すると見られるのに対して、供給量が同地域のPHメーカーの定修の集中と欧州のPHメーカーの増設工事の遅延によって需要量を下回るのが確実と見られているもの。 わが国のPHメーカーの多くは、今年のアジア地域のPHの総需要量が昨年を17万トン弱上回っておよそ287万トンになると予想している。それに対して供給力の増加は三井化学のシンガポール工場の年産5万トンだけ。しかもこの増設プラントが稼動に入るのは8〜9月からとなる見込みである。 加えて上期には、中国・燕山石化の同15万トン設備、同・上海のバイエルの同10万トン装置、台湾・長春石化の同20万トンプラント、千葉フェノールの同20万トン等が相次いで定修のため1ヶ月前後運休する見通しにある。 一昨年までは、定修の集中時に欧州から余剰玉が入ってきて品不足を補ってきた。しかし昨年は欧州に輸出余力がなくなりアジア地域への流入量が半減、さらに今年は、エルティサのスペイン工場の同25万トンの増設とイネオスのベルギー工場の同17万トンの増設の完工時期がいずれも大幅に遅れる見通しにあるため昨年以上に縮小することになりかねない状況となっている。 このため、最大の消費国である中国では特に需給の逼迫が深刻になりそう。こうした見通しによって、現在の中国のPHの輸入CR価格は昨年11月ならびに12月に比べてトン当たり80ドル高の1,400ドルとなっている。 |