2007年02月09日
産構審と中環審が「化管法」見直しの合同審議開始
今年夏にPRTR等の課題について中間取りまとめ
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省

 産業構造審議会と中央環境審議会は9日、経済産業省と環境省の要請を受けて化学物質の環境問題に係わるそれぞれの専門下部組織の合同会合を開催し「化学物質排出把握管理促進法(化管法)」の見直し問題について審議した結果、今後定期的に合同会合を開いて同法の施行状況と今後の課題を検討していき今年夏に中間報告を取りまとめることで意見の一致をみた。

 これは、同法の施行後7年を経過した時点で同法の施行状況を検討してその結果必要な措置を講じることが同法で規定されているため、両省の要請に基づいて両審議会の専門組織が合同で具体的な検討作業を進めていくことにしたもの。

 この日開催されたのは、産業構造審議会化学・バイオ部会の化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループと、中央環境審議会環境保健部会の化学物質環境対策小委員会の二つの専門組織の合同会合。
 各委員からは、「化学企業の環境報告書からは化学業界がPRTR制度をどのように生かしているかがはっきりうかがえない。あまり活用されていないのではないかと印象を受ける」「家庭から排出される化学物質が全体の9.6%を占めているとのデータがあるが、一般市民はそんな実態は知らない。もっと化管法と化学物質の排出の実情等を広く国民全体に周知させる工夫が必要」「化学物質の安全確保の問題を化管法の見直しだけで解決できるのかどうか疑問。そうした根本問題についてもっと論議していく必要がある」「PRTR等のデータの精度をもっと高めていくことが重要」等々様々な意見が出された。

 その結果、今年夏までに合計6回(場合によっては7回)の合同会合を開いて「平成17年度のPRTRデータの概要」「PRR制度の課題と今後の方向性」「化学物質の自主管理に関する課題と今後の方向性」「MSDS制度の課題と今後の方向性」等について意見を交わしていくことになった。