2007年02月16日
ポリオレフィンのフィルム品種の出荷にばらつき
PPは順調な伸び、HDPEは低迷が長期化
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィンの主要品種の一つであるフィルム用グレードの出荷数量にこれまで見られなかった大きなバラツキが樹脂間に生じてきた。
 
 PPのフィルム用品種は、昨年12月に続いて今年1月も前年同月の実績を上回った。昨年12月は0.8%増にとどまったが、今年1月は4.7%増となっている。しかし一方のLDPEとHDPEのフィルム用はともに昨年9月から今年1月までの5ヵ月にわたって前年同月を下回る状態が続いている。中でも縮小が目立つのはHDPEのフィルム品種だ。LDPEのフィルム用品種の今年1月の出荷は前年同月の0.5%減と小幅の縮小にとどまっているが、HDPEの場合は8.4%もの減少となっている。
 特に目を引くのはレジ袋が主用途となっている薄肉・強化フィルム用品種の落ち込みである。同品種は昨年7月以降前年割れが続いており、しかも縮小幅が大きい。昨年10〜12月期の前年比は13.6%減であり、今年1月も前年同月を9.6%下回っている。中国をはじめとしたアジア諸国から安価な製品が定量に流入していることによるところが大きいと見られる。また、関係者の中には、国内の大手スーパーやコンビニがレジ袋の有料化に踏み切りつつあることも少しづつ影響し始めていると指摘する向きもある。
 
 今後についても、HDPEの場合は縮小が避けられないというのが一般的な見方となっている。また、LDPEとPPのフィルム用品種も海外品が容易に参入できない産業用高機能品種以外は厳しい局面を迎えることになると多くの関係者が予想している。