2007年02月19日 |
コニカミノルタ、白色有機ELデバイス製品化へ |
リン光発光で世界最高効率、照明用08年にも |
【カテゴリー】:新製品/新技術(ファインケミカル) 【関連企業・団体】:コニカミノルタ |
コニカミノルタテクノロジーセンター(東京・日野市)は、世界最高発光効率の有機EL白色発光デバイスを開発、携帯電話用デスプレイのバックライトや照明用に実用化を急いでいるが、08年にも製品化を進めたい意向である。 同デバイスは、初期輝度1000カンデラ/平方メートル、発光効率が64ルーメン/w、発光寿命が約1万時間という長寿命。有機ELは有機物の発光素子で、電圧をかけると面発光するデスプレイ材料。材料分子自体が発光するため低電圧で高い輝度が得られ、視認性が高いうえ薄くて均一に面発光するというメリットがある。 次世代のデスプレイや照明デバイスとして注目されている。蛍光発光とリン発光があり、蛍光発光はすでに商品化されているが、効率面で圧倒的な優位性を持つ蛍光発光は、まだ開発段階にある。 同社は発光効率の向上と、高寿命化の両立が難しい青色リン光発光材料に着目して研究、世界最高レベルの発光寿命(初期輝度300カンデラ/平方メートルで約1万6,000時間)を達成した。これをもとに青、赤、緑の3色リン光発光材料を組み合わせ、白色発光領域を実現した。 このような技術開発により、同一消費電力の場合、蛍光灯並みの明るさを実現しつつ、有機ELの特徴でもある薄く均一な面で光が得られるようになった。これまでの銀塩感光材料開発や色素開発、薄膜塗布、蒸着、材料開発の技術が生かされているとしている。 有機EL白色発光デバイスの開発では、米UDCと提携、同社の有機ELリン光発光技術を採用している。この技術は従来の有機EL技術と比べ4倍の発光効率を得ることができ、携帯電話から大画面TVに至るまで各種デスプレイやその他モバイル機器用に有用という。 |