2007年02月20日 |
昭和電工、窒化物半導体の新結晶成長技術を開発 |
窒化ガリウム系青色・白色LED 生産能力増強へ |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は20日、青色・白色LED向けに需要の拡大が見込まれる窒化物半導体(注1)結晶の製造プロセス「ハイブリッドPPDTM法」の開発に成功したと発表した。 従来のMOCVD法(注2)と、PPDTM(Plasma assisted Physical Deposition)法(注3)を組み合わせて開発したもので、高品質の窒化物半導体結晶の製造が可能となる。 これにより、これまでは品質上困難だった4インチ基板を使用したLED素子の生産を実現、現時点で出力世界トップクラスの青色LEDを開発した。本年中に同製品の販売を開始する予定である。 また、今後の需要拡大に対応するため、千葉事業所内に新プロセスを用いた4インチ基板使用LED製造設備を導入する。 新プロセスによる基板の大型化と新ラインの設置により、現在月産3,000万個の青色LED素子の生産能力を07年末までに同1億個に引き上げる。 ■ハイブリッドPPDプロセスの概要 窒化物半導体の代表的な製品である青色や白色の窒化ガリウム系LED(注4)は、発光特性などにおいて既に白熱灯、冷陰極管などの他の光源に比較し十分な性能を有しているが、今後、さらに普及が進むためには高品質基板を大量生産することが可能な生産技術が求められている。 新プロセスの採用により結晶品質が向上する結果、4インチ基板への大型化が実現し、生産性の大幅な改善が可能となった。 昭電の新プロセスは、同社のエピタキシャル成長(注5)技術の長年にわたる蓄積により開発したもので、本技術により結晶性が向上し良質な薄膜の生成が可能となるとともに、MOCVD法に比較し生産性の高い製造プロセスを構築することが可能となる。本ハイブリッドPPD法に関する特許は既に約30件出願済みです。 【用語(注)の解説】 (注1)窒化物半導体:主に、紫外から緑色のLED、青色レーザーダイオードの材料として広く用いられている。最近は、電子デバイス用材料としても注目されている。 (注2)MOCVD法:有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)の略。化合物半導体結晶の製造方法として最も一般的な結晶成長方法である。 (注3)PPD法:プラズマ物理気相成長法(Plasma assisted Physical Deposition)の略。昭和電工が窒化物半導体結晶用に開発した、結晶成長技術。 (注4)窒化ガリウム系LED:組成を選ぶことにより、紫外から緑色までの広範囲の発光が可能。紫外や青色LEDと蛍光体と組合せ、様々な波長のLEDを製造することができる。 (注5)エピタキシャル成長:基板上に、結晶方位をそろえて薄膜を結晶成長させること。 ◇新製品紹介のグラフや写真は「ニュースリリース」にあります。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1171938449.doc |