2007年02月22日
PHのアジア市況、高水準で推移
2月のCFR価格は1月比トン95ドル高
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 フェノール(PH)メーカー筋によると、PHのアジア地域における市況は中国の需要家各社が春節休暇に入ったにもかかわらず高水準で推移している。
 現在のCFR価格の多くはトン当たり1,495ドルで、1月に比べて同95ドル高となっている。昨年11月と12月に比べると同175ドル高い。

 欧州やわが国の大手PHメーカーが、今年1月における原料ベンゼンの価格の大幅な上昇に対処して相次いで値上げに踏み切ったのが市場に受け入れられていることによる。

 これには、PHの需給バランスが世界各地でこれまで以上にタイトとなってきていることが大きく作用している。需要がフェノール樹脂向けとビスフェノールA向けに引き続き順調に伸びているのに対して、総供給量がスペイン・エルティサの年産25万トンプラントの増設やベルギー・イネオスの同17万トン装置の増設工事の大幅な遅れ、さらには伊・ポリメリの原料事情の悪化に伴う稼働率の低下等によって需要量を下回る事態となっているためだ。

 しかも3月に入ると中国、台湾、日本の各国で定修のため運休するPHプラントが相次ぐ見通しにある。このため、アジア地域の需要家の間には先行きの需給バランスに対する不安感が強く、3月に入っても売り手主導型の交渉が続く公算が濃厚だ。