2007年02月27日
中外製薬、味の素との2つの訴訟に勝訴
【カテゴリー】:経営(ファインケミカル、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:味の素、中外製薬

 中外製薬は27日、味の素から提起されていた、「エポジン」「ノイトロジン」の製法特許をめぐる控訴審および審決取消裁判で、いずれも中外製薬側の勝訴となる判決が言い渡されたと発表した。

 2004年4月、味の素から中外製薬に対し、中外製薬が製造販売する医療用医薬品「エポ
ジン」および「ノイトロジン」の製造行為が、味の素の保有する製法特許を侵害するとの訴えが東京地方裁判所に提起された。

 本訴訟につき、2006年3月、東京地方裁判所は請求棄却の判決を下し、また、中外製薬が特許庁に請求した本件特許無効審判では、2005年9月、特許庁から無効審決が下された。
 
 これらに対し、味の素は知的財産高等裁判所に控訴および審決取消訴訟を提起し、審理継続中だった。

 今回両訴訟で知的財産高等裁判所が下した判決は、先に特許庁および東京地方裁判所が下した判断に引き続き、中外製薬の主張を全面的に認めたものとなった。これが中外製薬の業績に与える影響はないという。
 
<特許侵害訴訟>
(1)経緯
・2004年4月20日 味の素株式会社による訴えの提起
・2006年3月22日 東京地方裁判所による請求棄却判決の言渡し
・2006年4月4日 味の素株式会社による控訴の提起
(2)請求の内容=原判決の取消および損害賠償請求金額金30億円およびこれに付帯する法定利息(味の素は、原審の訴状の「請求の原因」で、当該請求は一部請求であり、損害額の合計は382億円を下回らない、としていた)
(3)判決のなされた日=2007年2月27日
(4)判決の内容=本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。

<審決取消訴訟>
(1)経緯
・2004年11月5日 中外製薬による特許無効審判請求申立て
・2005年9月7日 特許庁による特許無効審決
・2005年10月11日 味の素株式会社による審決取消訴訟の提起
(2)請求の内容=特許庁による本件特許無効審決の取消
(3)判決のなされた日=2007年2月27日
(4)判決の内容=原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1172557061.pdf