2007年02月28日 |
出光興産、ArFフォトレジスト原料アダマンタン装置起工 |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:出光興産 |
出光興産は28日、徳山工場でArF(アルゴンフッ素)フォトレジスト原料であるアダマンタン(注1)製造装置を起工式したと発表した。 年産能力300トン、設備投資額は13億円。独自開発したゼオライト系新触媒による環境負荷の少ないプロセスを世界で初めて採用する。これにより今後、ArFフォトレジスト原料として大きな需要の伸長が期待されるアダマタン誘導体の供給体制が整う。 最近、ArFエキシマレーザー露光プロセス(注2)による最先端半導体の生産が開始されたが、このプロセスでは、アダマンタン誘導体を原料に用いた高性能のフォトレジスト(感光材)が使用されている。 出光興産は、ArFフォトレジスト開発の初期段階から需要家との共同取組みを進めてきた。現在同社は、主にArFフォトレジスト原料としてアダマンタン誘導体市場で約70%のシェアをもつ。 アダマンタンは現在、大量の廃触媒を発生させる塩化アルミ法により、中国でのみ生産されている。環境規制が厳しくなりつつある現状では、今後、廃触媒の処理に多大な投資負担がかかり、供給面で問題が生じるおそれがあるという。 <新製造法の特長> (1)原料として工場の未利用留分を有効活用する。 (2)ゼオライト触媒を用いるため、従来法の様に処理が困難な塩化アルミとタールの混合した廃棄物が発生しない(環境負荷少) (3)連続生産(従来はバッチ生産)による省力化プロセスであり、品質の安定性にも優れる。 【アダマンタン製造設備の概要】 (1)生産能力 300トン/年 (2)プロセス 自社技術によるゼオライト触媒法 (3)建設場所 出光興産徳山工場内(山口県周南市、工場長:杉本祐司) (4)投資額 13億円 (5)今後の予定 2007年9月完工 2008年1月商業運転開始 (解説) (注1) 炭素数10の炭化水素化合物。ダイヤモンドの構造単位と同じ構造を持ち、透明性、安定性、低誘電率等に優れる。 (注2) 半導体を製造する重要工程の一つであるシリコンウェハ上に回路パターン(半導体の設計図)を転写する際に用いるプロセス。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1172640567.pdf |