2007年03月02日
DSMジャパン・ロティア社長会見「日本企業と協力深めたい」
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:DSM
アウケ・ロティア社長

 DSMジャパンのアウケ・ロティア社長は2日記者会見し、DSMグループの経営の現状や戦略などを語った。この中で、テクニカル・イノベーションの重要性を強調し、「日本はこの分野で非常に進んでいる」と、日本企業との協力関係強化に強いに意欲を示した。

 DSMは1902年、オランダ・ハーレンに国営鉱山会社として設立された。その後、化学肥料や石油化学に進出し、業績拡大してきた。しかし、80年代以降は時代を“先取り”するかたちで積極的にアライアンスに取り組み、石油化学事業はサウジアラビア・SABICに売却。現在は機能性素材、工業薬品、ニュートリション、医薬品の4事業部門に転換・特化している。
 
 06年度の業績は、売上高が前年比7%増の83億5,200万ユーロ、営業利益6%増の8億3,500万ユーロ、純利益は4%増の5億4,700万ユーロと、いずれも過去最高となった。
 
 ロティア社長は「DSMは現在、新たな経営計画“Vision 2010”に取り組んでいる。この中でイノベーション関連予算をこれまでの年間3,000万ユーロから7,000万ユーロに拡大する。新規事業開拓に15%の資本支出を行う、250人の正社員を追加する、などの資本投入を決めた。最先端ビジネスに注力し、2010年までに売上高10億ユーロを達成したい」と語った。
 
 日本では現在、光ファイバー・コーティング会社の日本特殊コーティング(JSRと合弁)、高強度プラスチック「ダイニーマ」を製造する、日本ダイニマー(東洋紡と合弁)、飼料会社のニュートリテック(日本配合飼料と合弁)を50:50の合弁で運営しているが、「日本はテクニカル・イノベーションが進み、レベルが高い。今後は企業だけでなく、大学、研究機関などとも積極的に協力、提携していきたい」と抱負を語った。