2007年03月07日
JSR、水より高い透過率の「高屈折率液体」を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術(経営)
【関連企業・団体】:JSR

 JSRは7日、光波長193ナノメートルでの透過率が純水よりも高く、同時に屈折率1.64を実現する液体を開発したと発表した。次世代液浸露光技術の実用化に一歩近づいたとしている。引き続き装置メーカー、大手デバイスメーカーの協力で実用化に向けた検討を行う。先に米国カリフォルニア州サンノゼ市で開催された、半導体製造のリソグラフィー技術に関する国際会議「SPIE Advanced Lithography 2007」で発表した。

 今回開発した液体は、第2世代高屈折率液体と呼ばれているもので、光波長193ナノメートルでの屈折率が1.65前後をターゲットにしてきた。従来、高屈折率液体の開発では、屈折率の目標値の達成は実現できても、透過率が第1世代液浸露光技術に使用される水のレベルを達成できなかった。
 
 今回同社は独自に開発した材料で、光波長193ナノメートルで99.5%/ミリの透過率を達成したことを確認した。(参考:水の透過率は99.2%/ミリ)

 この液体は、同社が開発した一連の材料の中で酸素の吸収が少なく、大気にさらされても性能が安定していること、蒸気圧が低いため熱分解が起こりにくいことが確認され、実用化の際に必須となるリサイクルシステムにも適している。

 高屈折率液体を利用したリソグラフィー材料の検討としては、第2世代高屈折率液体の実用化に向けた検討に加えて、上層保護膜や高屈折率レジストなどの開発、第3世代高屈折率液体の開発検討などを進めていく。今の段階では、実用化は2010年以降となる見込み。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1173249657.doc