2007年03月14日
三井化学の第3回触媒科学国際シンポジウムが開幕
世界的に著名な触媒研究者11人が講演
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学主催の「第3回触媒科学国際シンポジウム」(MICS2007)が千葉県木更津市の「かずさアカデミアホール」で14日開幕した。会期は15日まで。

 過去2回のシンポジウムのテーマは、03年の第1回が「重合触媒最前線」、そして05年の第2回が「精密合成を目指したグリーン触媒最前線」であった。今回は「重合触媒ー現在そして未来ー」をテーマに、「新しい機能性材料を創出する重合触媒の現状と将来の可能性について討論することを目的」(藤吉建二・三井化学社長)に開催された。
 
 講演者には、1987年のノーベル化学賞の受賞者であるジーン・レーン・ルイ・パスツール大学教授や05年度の同賞受賞者のリチャード・シュロック・マサチューセッツ工科大学教授、同ロバート・グラブス・カリフォルニア工科大学教授ら世界的に著名な触媒研究者11人が選ばれ、うち5人が初日の14日に講演した。

 また5人の講演後には、07年度の「三井化学触媒科学賞」の受賞者二人と「三井化学触媒科学奨励賞」の受賞者二人に対する授賞式と4氏による記念講演も行われた。
 収容人員約800人の大ホールは10時の開演とともに満席となり、過去2回以上に熱っぽい雰囲気のなかでのシンポジウムとなった。15日も合わせた総参加者は1,200人を超える見込み。

 「MICS2007」の講演者と講演テーマー、ならびに「三井化学触媒科学賞」と「三井化学触媒科学奨励賞」の受賞者と記念講演テーマは以下の通り。

《14日》
▽基調講演=Jean-Marie Lehn・仏ルイ・パスツール大学教授。「超分子化学からダイナミックケミストリーへ」
▽特別講演=Richard R.Schrock・米マサチューセッツ工科大学教授。「有機および高分子化学のための現代オレフィンメタセシス触媒の開発と利用」
▽招待講演=Hans R.Kricheldorf・独ハンブルグ大学教授。「ビスマス触媒系による生分解性ポリマーの合成」
▽同=増田俊夫・京都大学教授。「重合触媒の設計、および新規触媒を用いた置換ポリアセチレンの合成」
▽同=藤田照典・三井化学研究主幹・触媒科学研究所所長。「FI触媒の開発と差別化ポリマーへの展開」
▽「三井化学触媒科学賞」受賞=Zhaomin Hou・理化学研究所主任研究員。「新しい希土類金属錯体触媒による重合反応の開発」
▽同=Gregory.C.Fu・マサチューセッツ工科大学教授。「金属触媒によるカップリング反応」
▽「三井化学触媒科学奨励賞」受賞=寺尾潤・大阪大学助手。「陰イオン性遷移金属錯体を鍵触媒中間体とする炭素結合生成反応」
▽同=陳志宏・香港市立大学助教授。「オレフィン重合触媒におけるポリマー・リガンド間の弱い吸引性相互作用のモデル化」

《15日》
▽基調講演=Robert H.Grubbs・カリフォルニア工科大学教授。「オレフィンメタセシスによる大型分子・小型分子の合成」
▽招待講演=野崎京子・東京大学教授。「10族金属触媒を用いる精密配位重合」
▽同=田中栄司・三菱化学執行役員。「粘土鉱物担持メタロセン及びポストメタロセンオレフィン重合触媒」
▽同=Luigi Cavallo・伊サレルノ大学教授。「立体規則性重合のメカニズム」
▽同=James C.Steavens・ダウ・ケミカルリサーチフェロー。「最新触媒を用いた古典的ポリオレフィン分野への新たな仕掛け」
▽同=Richard F.Jordan・シカゴ大学教授。「シングルサイト触媒と極性ビニルモノマーの反応」。