2007年03月23日
PPの2月の出荷、主要品種が軒並み前年超え
主力の射出成形用は4.8%増、押出用も回復
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリプロピレン(PP)の2月の国内向け出荷数量は前年同月を3.9%上回り、4ヵ月ぶりの前年同月超えとなったが、これには主要品種の需要が軒並み回復したことが大きく作用している。主要品種が揃って前年同月を上回るのは、最近の汎用樹脂の世界ではきわめてめずらしいケースなだけに注目される。

 同樹脂の主要需要分野は、自動車部品向けを中心とする射出成形、OPP(延伸フィルム)とCPP(無延伸フィルム)がほとんどを占めるフィルム、シート向けがメーンの押出成形、それと繊維の計4分野となっている。2月は、これら4分野向けの出荷の全てが前年同月を上回った。各品種の伸び率は、射出成形用が4.8%、フィルム用が1.8%、押出成形用が6.1%、繊維用が0.5%となっている。うち、フィルム用は3ヵ月連続の、そして射出成形用は2ヵ月連続の前年同月超えであり、繊維用は3ヵ月振りのそして押出成形用は6ヶ月ぶりの前年同月超えとなった。

 いずれも最近のPP各社が育成に特に力を入れている分野である。これまでにない機能型グレードが新たに投入されている分野でもある。この点は他の汎用樹脂と異なるところで、このため同じ分野でも新規の市場が占める比率が着実に増えていると見られる。