2001年07月12日 |
経済産業省が報告「循環型社会にセメント産業の役割大きい」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:宇部興産、トクヤマ、経済産業省 |
経済産業省はこのほど「わが国セメント産業が循環型社会を構築していく上で果たす役割は大きい」とする報告書をまとめ発表した。 新潟大学の長瀧重義教授を座長とする産業界、有識者による検討会がまとめた。産業界からはトクヤマ、宇部興産、三菱マテリアルなど6社の専務クラスが参加した 。 それによると、現在セメント産業は国内埋立て廃棄物の約20%に相当する2,600万トン/年の廃棄物を原燃料として利用しているが、法規制などによる制約条件も多く、今後は法規制の改善や廃棄物利用拡大のための技術開発努力が必要だとしている。報告要旨は次の通り。 (1)現在の廃棄物利用水準はセメント1トン当たり311キログラムだが、法制度上の改善や新技術の開発によって水準の引き上げは可能だ。2010年度には1トン当たり400キログラムを努力目標に設定すべきだ。 (2)地元の理解を得るため、廃棄物活用の実績や予定数量の公表、エコタウン形成に向けたコミュニティづくりなどを積極的に行う必要がある。 (3)国、自治体はリサイクルを阻害する法規制の見直しを行い、運用適正化を図る必要がある。 (4)セメント産業は廃棄物利用拡大のための技術開発を促進する必要がある。廃棄物受入れ増大に対応可能な塩素バイパスシステムの高度化、高塩系ダストの処理、再利用技術の開発が重要である。 (5)セメントの原燃料として廃棄物の利用を拡大する場合、現行JIS規格との問題が生じる可能性がある。エコセメントのJIS化の検討とともに、ユーザーのコンセンサスを得る必要がある。 |