2007年03月27日
アジアのエチレン価格、8週連続で下降
ついに1,000ドル割れ、極東市場に余剰感が広がる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社によると、アジア地域における先週末のエチレンのスポット価格は1週間前に比べてトン当たり30〜40ドル下がった。この結果、アジア地域におけるエチレン価格は8週連続の下降となった。
 
 大手商社各社によると、先週末におけるトン当たりのCFR価格の平均は極東が950ドル、東南アジアが985ドルとなっている。1週間前に比べると、極東では同40ドル、東南アジアでは同30ドルの値下がったことになる。先々週末の東南アジアの価格の平均は1,110ドルで、一方極東の商談の中にも1,000ドル強のものが散見されたが、1週間でついにアジア地域全体の市場から1,000ドル台が姿を消した。極東と東南アジアの両地域とも1,000ドル割れとなったのは昨年3月の第4周末いらいで、ちょうど1年ぶりとなる。
 
 続落の背景については、韓国・YNCCの増設プラントの本稼動入り、中国ならびに極東におけるエチレン系誘導品の需要不振、タイ・PTTや韓国・LGDAESANの大型エチレンプラントの定修の終了といった需給緩和要因が一斉に表面化してきたことが大きいと分析する向きが多い。
 
 今後の見通しについても、日本国内でエチレンプラントの春の定修をスキップするところが相次ぐことや、韓国・LGDAESANと台湾・FPCが4月から5月にかけて大型増設プラントを立ち上げる見通しにあること等から判断してアジア地域のエチレン相場が反騰する可能性は少ないと予想する商社が大半を占めている。