2007年04月04日
旭化成、SM輸出価格 引き上げへ
5月渡し分、1,320〜1,350ドル目指す
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは原料価格の高騰に対処してSM(スチレンモノマー)の輸出価格を引き上げる方針を固めた。

 中国を中心としたアジア各国向けの5月引渡し分から実施したい考え。CFRトン当たり1,320〜1,350ドルを目標に16日から始まる需要家各社との価格交渉に臨む構えだ。


 SMのアジア地域の価格は、中国のCFR価格の場合、現在トン当たり1,250〜1,270ドルが実勢。年初からほとんど変動がない。旭化成ケミカルズをはじめとしたSMメーカーは、原料の一つのエチレンの1〜3月期の価格が前期を上回るのが確実となり、加えてベンゼン(BZ)の価格も3月から引き上げられたため、それに合わせて3月出荷分から値上げを実施したい意向だったが、今年に入り米国品が大量に中国に流入してきため実行できないままだった。

 今回旭化成ケミカルズが5月分からの値上げに踏み切ることにしたのは、4月に入ってBZの価格がさらに大きく引き上げられることが確定し、一方の原料のエチレンの価格も輸入ナフサの高騰によって急騰するのが必至となって現在の価格では採算割れが避けられなくなってきたため。

 一方、アジア地域の需給バランスは、4月から各地でSMメーカーの定修による運休が相次ぐため急速にタイト化する見通しにある。4〜5月に定修運休するのは、新日鉄化学(年産24万トン)、三菱化学(同40万トン)、韓国・サムソン・トタル(2基合計同65万トン)同・LGケミカル(同50万トン)の各社。合計179万トンの設備がそれぞれ1カ月強にわたって運休する予定だ。