2007年04月06日
旭化成ケミ、ANの輸出価格を再引き上げへ
中国の需要の好調を背景に20ドルアップ目指す
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズは、AN(アクリロニトリル)の4月の中国向け輸出価格をトン当たり20ドル引き上げることにして大手需要家各社と折衝を開始した。
 
 3月の価格はCFRトン当たり1,620〜1,640ドルで年初に対して同80ドル高となっていたが、4月以降のナフサの値上がりが必至となってきたため再値上げすることにしたもの。
 
 中国におけるANの需要は、アクリル繊維向けとABS樹脂向けを中心に順調に拡大している。対する中国国内の現在の生産能力は年産約100万トンで、06年と同じ規模にとどまっており、このため今年に入ってからの海外からの輸入量は前年を大きく上回る状態が続いている。1月は30,501トンで前年同月を34.3%上回り、2月は32,500トンで同55.0%増となっている。3月も同様の高い伸びを遂げたと見られている。
 
 旭化成ケミカルズは、そうした中国の旺盛な需要に対して日本と韓国の両生産拠点からの輸出で積極的に対応してきているところ。同社では、今年もANの国際需給バランスは06年同様もしくは06年以上にタイトの状態で推移すると予想している。世界全体の設備能力が06年とほぼ同じ規模にとどまるからで、このため今後も中国からは同社をはじめとしたアジア地域のANメーカーに引き続き活発な引き合いが寄せられると予想している。