2007年04月06日
大洋塩ビ、対中輸出価格を再引き上げ
4月分、CFRトン当たり890〜900ドルで決着
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビはかねてから中国の大手樹脂加工企業との間でPVC(塩ビ樹脂)の4月の納入価格交渉を進めていたが、トン当たりのCFR価格を890〜900ドルとすることでこのほど話し合いをまとめた。
 
 3月の価格に比べると同20〜30ドルの値上げとなる。これで同社によるPVCの対中輸出価格は、06年12月の同780〜790ドルをボトムに4ヵ月連続で値上げが実現したことになる。
 信越化学など他のPVCメーカーも、おおむね同じレベルに再修正することで需要家各社の同意を得た模様。
 
 今回の値上げも、同樹脂の需要が中国にとどまらず西南アジアや中東・アフリカ諸国にいたるまでの極めて広い範囲にわたって急速に拡大してきたことによってアジア地域全体の同樹脂の需要バランスが急速に引き締まってきたことが樹脂メーカー側に大きくプラスして実現したもの。
 中国では、この2年あまりカーバイド・アセチレン法のPVCの生産が増加傾向をたどっている。しかし同国の大手樹脂加工企業は米国や欧州に輸出する加工製品向けには品質面でカーバイド法PVCを大きく上回るエチレン法PVCを引き続き採用する事業戦略を堅持、うち多くの企業が依然として大洋塩ビなど日本の同樹脂メーカーに対して活発な引き合いを寄せてきている。