2001年07月11日 |
三菱レイヨン、新日鐵化学からプリプレグ事業譲り受け |
炭素繊維事業拡大に“弾み” |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:新日鐵化学、三菱商事、三菱レイヨン |
三菱レイヨンは11日、炭素繊維中間材料「プリプレグ」事業について、新日鐵化学から生産設備、販売権等を譲り受けることで合意したと発表した。 これにより新日鐵化学の生産設備は同社豊橋事業所へ移設する。移設工事は8月中旬に行い、今秋稼動する予定。三菱レイヨンは設備の集約化により、プリプレグの生産能力が約3割増加、産業用、スポーツ用品向けに市場の拡大を図るとともに収益向上を目指す。 三菱レイヨンは米国カリフォルニア州に100%子会社のグラフィル社をもっており、PAN系炭素繊維の生産設備は2002年稼動を目標に、豊橋事業所で年産500トン、グラフィル社で同800トン、計1,300トン増設、既存設備と合わせて年産4,700トン体制に拡大する計画を進めている。 また、油田用などに炭素繊維強化パイプを製造している米ファイバースパー社にも三菱商事とともに資本金の14%に相当する1,000万ドルを出資、炭素繊維系資材の供給を行っていく方針だ。 炭素繊維の需要は今後パイプや圧力ガス容器、土木建設資材、航空・車両関連など産業分野に成長が見込まれているが、新日鐵化学のプリプレグは炭素繊維に樹脂を含浸させた中間素材として、とくにゴルフや釣竿などのスポーツ分野、印刷ロール、医療関連分野に需要先をもっている。今後は同社の事業を継承することにより、さらに事業のバリエーションを拡大していきたいとしている。 |