2007年04月11日
PH、BPAともアジア相場が続騰
需給の引き締まりと原料高騰が牽引
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 フェノール(PH)とビスフェノールA(BPA)のアジア地域の価格が4月に入ってともに続伸してきた。
 PHの直近のスポット価格の平均はCFRトン当たり1,550ドルで、3月渡し分の平均価格に比べると同50ドル高となっている。コントラクトもの(ACP)は同1,520ドルで、3月分を同20ドル上回っている。需要がフェノール樹脂向けやBPA向けに引き続き好調なこと、原料ベンゼンのコントラクト価格が続騰していること、中国・燕山石油化学や台湾・長春石油化学などPHメーカーの定修がこの時期に集中して供給力が全体に縮小していること等が続伸の要因として挙げられる。

 一方のBPAの場合は、シップメントベースで変動するエポキシ樹脂向けのスポットものの直近のCFR価格がこの10日前後で同50ドル上がって同1,890〜1,900ドルに達している。台湾の南亜が操業トラブルで1〜3月期に減産したのに加えて年産13万トン能力の第4号機の操業開始の大幅な遅延もきたしていること、最大の消費国の中国の需要家の間に先行きのBPAの供給不安観と先高観が広がっていること等によるもの。

 四半期単位で価格が決まるポリカーボネート用の第2・四半期分の交渉はこれから始まるところだが、BPA各社とも原料高を背景に大幅値上げを実現したい構えだ。1〜3月期のCFR価格の平均は同1,750ドルであったが、BPAメーカーの多くは少なくとも1,800ドル、できれば1,850ドルに引き上げたいとしている。