2007年04月13日
PVCの総出荷量、3月も前年を若干上回る
VCMは輸出の不振で3ヵ月連続の前年同月割れ
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が13日に集計したところによると、PVC(塩ビ樹脂)の3月の総出荷数量は前年同月比1.6%増の17万9,823トンとなった。4ヵ月連続の前年同月超えである。輸出の好調の持続が効いている。
 しかしVCM(塩ビモノマー)の総出荷量は8.1%減の25万5,277トンで3ヵ月連続の前年同月割れとなった。PVCと逆に輸出の不振が足を引っ張っている。
 
 PVCが小幅ながら前年同月を上回ったのは、国内向けが同5.6%減の10万9,285トンとマイナス成長に転じたのに対して輸出が同15.3%増の7万538トンと大きく伸びたため。国内が前年を下回ったのは、軟質用が引き続き不振で11.1%減となったのに加えて、硬質用も3.5%減、電線用その他も3.7%減とともに前年同月割れに転じたせい。輸出は8ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 一方の生産は同5.1%増の17万8,962トンで2月に続いての前年同月超えとなった。
 
 こうした結果、PVCの06年度(06年4月から07年3月まで)の総出荷数量は前年度比0.5%増の212万4,925トンとなった。年度計の場合も、国内向けの減少(2.4%減の135万7,439トン)を輸出の増加(6.0%増の76万7,486トン)がカバーした。総生産量は同0.5%増の211万7,836トンとなっている。
 この日の定例記者会見に出席した土屋隆・同協会会長(東ソー社長)は、PVCの07年度の需要について「公共投資向けをはじめとした国内需要全体の縮小傾向にそろそろ歯止めがかかるのではないかと期待している」と発言、また輸出についても「中国以外の国、例えば中近東あたりからも引き合いが増えている」と明るい材料が出てきている点を披露した。
 
 他方、VCMの3月の出荷が前年割れとなったのは、国内向けが前年同月を5.7%上回って18万4,387トンとなったにもかかわらず輸出が31.4%減の7万890トンと不振であったため。
 しかし07年度の総出荷量は、国内向けが前年度比0.2%減の217万2,917トンとなったのに対して輸出が同11.3%増の82万164トンと好調であったため同2.7%増の299万3,081トンと着実な成長の実現となった。