2007年04月17日
三井化学、溶剤3製品も値上げへ
5月1日出荷分から6〜9%引き上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はナフサの高騰に対処して溶剤3製品についても5月1日出荷分から値上げを実施する方針を固め、今週明けから需要家各社の説得に乗り出した。
 
 対象は、いずれもプロピレン系であるAC(アセトン)、MIBK、IPAの溶剤3製品。目標とする上げ幅は、ACが1キログラム当たり11円、MIBKが同19円、IPAが同9円。アップ率は、ACが7%、MIBKが9%、IPAが6%となる。いずれも06年6月以来1年ぶりの値上げとなる。今回の値上げは、国産ナフサの4〜6月期の価格が1キロリットル当たり5万6,000以上に跳ね上がるのが確実となってきたことに対応してのもの。

 同社によるとこれら3製品の現在の価格は、ACとIPAがともにナフサ1キロリットル当たり5万500円見合い、MIBKが同4万8,750円見合いのレベルにあるという。したがって、4〜6月にナフサ価格が同5万6,000以上に上がると、それに伴う原料プロピレンの価格のアップ分だけでACは同11円以上の、MIBKは同19円以上の、そしてIPAは同9円以上のコスト負担が生じることになるというのが同社の説明である。うちMIBKのコストアップが大きいのは、MIBKがACの2量化製品なため。またIPAの上げ幅が小さいのは原料プロピレンの原単位が0.8であるためという。
 
 これら3製品とも需要は着実に伸びており、そうした中で安定供給責任を果たしていくにはどうしても原料価格の上昇分の製品への転嫁を需要家各社に認めてもらうほかないと同社では説明している。なお同社ならびに同社グループでは、エラストマー製品やポリオレフィンの価格修正をすでに表明済みである。