2001年07月10日 |
東ソーの田代会長、土屋社長が会見「環境変化に機敏に対応」 |
田代路線を継承、グループ全体の経営力強化 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:東ソー |
東ソーの田代圓会長(兼CEO)、土屋隆社長の両氏は10日、就任後初の記者会見を行い、抱負などを語った。 この中で両氏は、「化学工業の経営環境は変化が激しい。機敏に対応することが大事だ」と、それぞれ要旨次の通り語った。 [田代圓会長] (1)社長就任は1992年で、当初はイランプロジェクトからの撤退や、大型投資後のバブルの崩壊など、負の遺産といえるものが経営上大きな負担となった。これから脱却するためにまず自助努力による経費削減などコンパクトな経営に徹してきた。その一方で“ビニル・チェーン”の組み立てとスペシャリティ事業の強化に力を入れてきたつもりだ。 (2)そうした経営努力が実って1999年度から2000年度にかけて当社は経営段階で史上最高益をあげることができた。 ビニル・チェーン事業も国内とアジアでマスタープランを確立することができた。スペシャリティ関連ではジルコニア、スパッタリングターゲット、電解ニ酸化マンガンなど世界トップクラスの体制を構築することができた。 (3)グローバルスタンダードの時代、これからは連結経営など経営ルールにも変革の波が押し寄せている。その意味でも社長職を後任に譲り、私自身は会長兼CEOとしてグループ全体の経営に取り組むことにした。 企業としての規模の拡大と収益力の維持、改善をどう図るかは難しい課題だが、環境の変化に機敏に対応する。規模もそれなりに重要になってきている。グループ全体で収益力のある、安定した経営ができるようにしていきたい。 [土屋隆社長] (1)責任の重大さを考えると、身の引き締まる思いだが、変化の激しい時代なので、全東ソーの英知を集め、そのつど適切に対応していきたい。基本的には田代路線を継承していくつもりだ。石油化学、クロルアルカリなどベーシックな分野で国際競争力をつけるとともに、スペシャリティ事業の構築、強化を図りたい。 (2)環境への対応といっても、周りの変化に気づかなかったり、気がついてから対応するのでは遅すぎる。変化を予想して、あらかじめ適切な対応を講じる、さらにいえば自分たちに有利な環境をつくるぐらいの高いレベルの対応が必要だと思っている。 当面の課題は2つある。1つは収益改善、もう1つはスペシャリティ事業の強化で、ジルコニアなどは世界のトップクラスだが、さらに世界をリードする技術を開発していきたい。 (3)1998年に構造改革5ヵ年計画がスタートして今年は3年目だが、スタート当時に比べても経営環境は大きく変化している。最終目標をどのように達成するかの見直しを年内にもまとめたい。具体的な方針が話せるのはそれからだと思っている。 |