2007年04月18日
プラ協が廃農ポリのリサイクル技術を開発
処理困難な土壌付着品の再利用に道開く
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会

 プラスチック処理促進協会は18日、土壌付着の廃農ポリ(マルチ・フィルム)の高効率乾式洗浄技術の開発に成功したと発表した。
 
 これは、土壌が付着しているため使用後のリサイクル率が30%前後にとどまっている廃農ポリを水を使用しない高効率乾燥洗浄方式によって合理的なコストで原料ペレット、さらにはフィルムやブロー製品に再生できる技術を確立したもの。また、同方式で再生したフィルムから油やガスを高収率で回収できる点も確認できたとしている。回収率は油の場合で77%、ガスで74〜96%という。
 
 同協会によると、今回開発した乾式洗浄方式は、設備費が従来の湿式の3分の1ていどですみ、また用役費や人件費も大幅に削減できる点が大きな強みという。用役費や人件費を大きく縮小できる理由としては、水を全く使用しないこと、処理施設の敷地面積が10分の1ですむこと、オペレータを3分の1に減らせること、電気の使用量を3分の1に縮小できること等が挙げられると説明している。

 使用済み農ポリの排出量は年間およそ7万トンと見られているが、付着した土砂を経済的かつ高効率で分離する技術が未確立なためリサイクル率が他のプラスチック製品を大きく下回っているのが実情。
 今回プラスチック処理促進協会が開発した技術が普及すれば、長年厚い壁に突き当たったままきた廃農ポリの再生・有効利用に新たな道が切り開けることになる。同協会では、日本施設園芸協会、日本ポリオレフィンフィルム工業組合、日本プラスチック有効利用組合等関係業界団体を通して同技術の有用性を広く広報し、普及を図っていく考え。