2007年04月19日
昭和電工、大口径黒鉛電極を増産へ
今夏に日米に合計25,000トン体制を確立
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:昭和電工
黒鉛電極

 昭和電工は19日、電炉向けに需要が世界全体で拡大している大口径黒鉛電極の生産体制を今年半ばに日米両拠点で大幅に増強すると発表した。
 
 今年7月に長野県の大町事業所に直径30インチおよび32インチ品種の生産ラインを1系列増設、加えてほぼ同時期に米・サウスカロライナ州の昭和電工カーボン社の工場の設備を同じく30インチおよび32インチの大口径品種も生産できるよう改良する。これによって両拠点トータルの同品種の生産能力を現在の年間15,000トンから25,000トンに拡大する。一連の設備投資金額は10億円強となる見込み。

 今回の大口径黒鉛電極の増産体制の確立は、アジアならびに米国における鉄鋼需要の拡大に伴って世界大手電炉メーカーの間で大型電気炉導入による増産の動きが活発化してきたことに対応してのもの。

 同社によると、鉄スクラップを原料とする電炉メーカーによる鉄鋼の生産量は01年から06年までの間に年平均7%の率で拡大、最近は電炉メーカーが生産性に優れた大型電気炉を積極的に採用しはじめたため30インチなり32インチなりの大口径の黒鉛電極の需要が大きく伸びるようになってきているという。

 同社では、今後も全世界における電炉鋼の生産量は引き続き拡大、06年に3億8,400万トンであった総生産量は2010年には4億1,600万トンに達すると予想している。それに伴って大口径黒鉛電極の需要も急拡大、04年に3万トンであった世界の総需要量は2010年に6万トンになると判断している。特にアジアの伸びが高く、04年比で4倍に達すると見ている。

 現在も昭和電工グループは大口径黒鉛電極では世界シェアの40%を確保し、トップメーカーの地位にある。今回の増産体制の整備によってその基盤をさらに強化できると説明している。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1176953886.doc