2001年07月10日
経済産業省調べ「外資系化学企業」の売上高1.5兆円で9.3%の増加
2000年外資動向調査まとまる
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省がまとめた「2000年外資企業動向調査」によると、日本に進出した新規参入企業は99年、製造業を中心に3年ぶりに増加した。
 進出形態は100%出資企業の設立が大半を占めた。売上高、経常利益、設備投資や研究開発費も大幅増加しているという。
 
 同調査はわが国の産業政策に役立てようと毎年行っているもので今回は34回目。3,513社を対象にアンケートした。有効回答数は1,978社(56.3%)だった。主な内容は次の通リ。
 
[集計企業数]
(1)99年度の集計企業数は1,564社。内訳は製造業514(全体の32.9%)、非製造業1,050社(67.1%)。

(2)製造業の内訳は化学が112社で最多、続いて電気機械81社、一般機械70社、精密機械48社、輸送機械39社、医薬品29社等となっている。

[活動状況]
(1)99年度の集計企業の売上高は全産業で24兆3,149億円(前年度比27.8%増)、製造業はうち16兆3,817億円で同31.8%の増加となった。

(2)2000年度予測は、全産業で26兆6,832億円(前年度比9.7%増)、製造業17兆6,778億円で(同7.9%増)、非製造業8兆9,519億円(同12.8%増)となっている。

(3)売上高を母国籍にみると、アメリカ系企業は全産業で13兆5,955億円(前年度比8.5%増)、全体シェアの55.9%、アジア系は1兆2,452億円(同170.0%)と大幅増加、ヨーロッパ系企業は9兆1,947億円(同58.8%増)となった。

(4)製造業の売上高を業種別にみると、輸送機械5兆6,514億円(全製造業に占めるシェア34.5%)、次いで電気機械2兆9,658億円(同18.1%)、石油2兆3,286億円(同14.2%)、化学1兆5,273億円(同9.3%)、医薬品1兆2,325億円(同7.5%)の順となっている。

(5)化学企業の売上高1兆5,273億円の地域別売上高をみると、アメリカ系1兆109億円でアメリカ系の全製造業に占める比率7.4%、ヨーロッパ系は4,391億円でヨーロッパ系全体構成比は4.8%となっている。

[事業活動上の問題点と政府への要望]
(1)問題点を複数回答できいたところ「ビジネス展開にかかるコストの高さ」(83.0%)と答えた企業が最も多く、「品質に対する顧客要求の厳しさ」(50.9%)、「人的確保が困難」(41.9%)、「流通経路が煩雑」(32.7%)の順だった。

(2)日本政府への要望では、「行政手続き・通達等行政における透明性の確保」(29.2%)、「税制」(25.3%)、「公正な競争を阻害する商慣行是正」(24.0%)などが多かった。