2007年04月25日
「東曹(広州)化工」がPVCの生産を開始
東ソーグループの生産体制、年117万トンに拡大
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーが三菱商事、三井物産、丸紅の大手商社3社の資本参加を得て中国に設立した塩ビ樹脂(PVC)の製造販売会社「東曹(広州)化工有限公司」は、先週半ばから、広州市南沙経済開発区内で年産22万トン能力のPCV工場の操業を開始した。
 
 東曹化工は、東ソーが67%、三菱商事が18%、三井物産と丸紅がそれぞれ7.5%を出資して04年12月に設立した全額日本側出資によるエチレン法PVCの専業メーカー。05年7月に着工、今年3月に完工して試運転を実施していた。
 
 中国では大方の化学製品と同様にPVCの需要も順調に拡大、大手商社筋の調べによると06年の同樹脂の国内総需要量は前年を16.4%上回って874万6,000トンに達し、加えて輸出が前年の4倍近い46万トンに膨らんだとされる。対する国内生産量は805万3,000トンにとどまり、このため日本をはじめとする海外から114万トンを輸入することでかろうじて需給の均衡が維持されたと見られている。
 同筋では今後も中国の国内需要は年率14.5%で伸びていくと予想している。07年は前年を127万トン上回り、08年はさらに145万トン増え、09年も163万トン増になると予想している。
 東曹化工が製造販売するエチレン法塩ビの需要も、高度な品質が要求される輸出用加工製品向けに同国内で圧倒的な人気を得ているので引き続き順調な伸びを維持していくと見られている。
 
 今回の東曹化工の稼動開始によって東ソーグループ全体の塩ビ樹脂の生産能力は110万8,000トンとなった。うち国内は大洋塩ビの56万4,000トン、徳山積水の11万トン、東ソーのペースト塩ビの2万8,000トンの合計70万2,000トン。海外はフィリピン・レジンズ・インダストリーの10万トン、インドネシア・スタンダード・トーヨーポリマーの8万6,000トンに今回の東曹化工の22万トンの合計40万6,000トンとなった。