2007年04月26日
酢酸のアジアのスポット価格が続伸
定修の集中もあって需給がタイトに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アセチルメーカー筋によると、アジア地域における酢酸のスポット相場がここにきて再上昇してきた。
 主要市場である中国向けの直近のCIFあるいはC&F価格は1トン当たり650ドルで、3月の平均を同20〜30ドル上回っている。最近のボトムである昨年9月に比べると同100ドル高く、昨年5月のレベルまで戻ったことになる。

 これは、最大消費分野である酢酸ビニル向けとそれに次ぐ規模のPTA向けを中心に需要が順調に拡大してきたのに加え、アジア地域における酢酸メーカーの春の定修のシーズンインもあって全体の需給バランスが急速に引き締まってきたことによるもの。
 
 アジア地域では、韓国の三星/BPが4月早々から2週間にわたって年産42万トンの酢酸プラントを定修のため運休したのに続いて、向こう2ヵ月の間に台湾のBP/FCFCの同30万トン設備と同じ台湾のCPDCの同16万トン装置、さらには日本の共同酢酸の同408,000トン設備が相次いで定修入りする予定にある。

 3月末までに新たに操業入りすると伝えられてきたセラニーズ・南京の同60万トンプラントの立ち上がりが原料の調達計画の狂いから7月以降に延びる見通しにもある。こうしたことから、当分の間、アジアにおける酢酸の需給はこれまでになくタイトな状態で推移すると見られている。