2007年05月07日 |
PE袋の3月の輸入、23ヶ月振りの前年同月割れ |
圧倒的多数占める中国品が大幅減に |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
財務省の3月の貿易速報によると、同月のPE袋の総輸入通関数量は35,684トンで、前年同月の実績を10.4%下回った。 PE袋の月間輸入通関数量が前年同月を下回ったのは、05年4月の輸入数量が前年同月比1.7%減の34,067トンとなっていらい23ヶ月ぶりのこと。国産のPE袋の出荷が引き続き前年を割り込んでいる中での縮小とあって、関係筋の間には実需の縮小がいよいよ顕著になってきたことの表れではないかと事態を深刻に受け止める向きも現われている。 PE袋の輸入は、国内のPE袋メーカーや大手商社が主要生産拠点をコストの安い中国や東南アジア諸国に移しはじめた90年台半ばから急拡大、06年の総輸入量は前年比8.4%増の479,790トンに達した。10年前の97年の総輸入量は185,485トンであったので、10年で2.6倍の規模に拡大したことになる。この間の年間伸張率は98年が6.9%、99年が12.2%、00年が14.7%、01年が13.8%、02年が18.4%、03年が11.4%、04年が9.7%、05年が5.4%と推移してきた。さすがにこの3年は伸び率の鈍化が目立つが、それでもなお他のプラスチック加工製品に見られない高い伸びとなっている。 一方の国産PE袋の出荷実績は公式な統計がないのではっきりしないが、PE袋用ベースフィルムの出荷量はHDPE製品とL-LDPE製品を合わせても06年の場合で219,000トンにとどまり、PE袋の輸入量を大きく下回っている。しかも、同フィルムの年間総出荷量は小幅ながら前年を下回る状態が続いてもいる。それに対して輸入が増加の一途をたどってきたのは価格が国産品を大幅に下回る時代が続いてきたからで、その結果、国内消費の多くは海外品で占められるようになったものの、需要の絶対量は引き続き着実な伸びを遂げてきたと見られてきた。 それだけに3月の輸入の大幅な減少には多くの関係者が強い関心を寄せている。特に注目を集めているのは、これまで圧倒的多数を占めてきた中国品が大幅な前年同月割れとなっている点だ。中国品の3月の輸入数量は18,669トンで、前年同月を14.1%下回っている。04年に同2.3%減の15,860トンとなっていらい29ヶ月振りの前年同月割れとなった。これが中国側の何らかの事情によるものなのか、あるいは大手スーパーのレジ袋の使用自粛の影響によるものなのかはいまのところ明らかでない。このため4月から5月にかけての動向がこれまで以上に注目される。 PE袋の3月の主要国別輸入通関数量と1〜3月の累計は別表の通り。 【関連ファイル】 PE袋の07年3月の輸入通関数量 https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1178499873.xls |