2001年07月09日
旭硝子、研究開発重点テーマに「ナノガラス」など3分野
研究投資拡大、3年間で721億円
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭硝子

 旭硝子は9日、当面の研究開発方針を明らかにした。「経営にインパクトを与える研究開発の実践」を基本方針とし、研究開発予算を大幅に増額するほか、コーポレート研究として「ニューガラス」「ニューフッ素」「ニューコーティング」の3分野を重点に機能の設計から材料開発、製造技術までを一体化、“ステーション”として開発に取り組む。
 
 研究開発費は1998~2000年の3年間の累計が629億円だったのに対し、2001~2003年は721億円に増大、コーポレート研究はこのうち163億円と前3年間の118億円から45億円拡大する。

「ニューガラス」では“ガラスナノテクノロジー”に挑戦、半導体分野では光制御素子、光IC、ディスプレイ分野では高靭性ディスプレイ基板、その他3次元光導波路、超高速光スイッチなどの新事業に道を開く。

 「ニューフッ素」ステーションは分子設計からマイクロリアクタ、超臨海など多様な技術を使い、F2レザー用レジスト、Low-K材料、光導波路、光メモリーなどの新規事業分野開拓につなげる。

 「ニューコーティング」ではエネルギー、ディスプレイ、光・情報通信、光・記録など新しいコーティング技術の展開で幅広い分野にわたり新しい市場を創出するとしている。
 
[石津進也旭硝子社長]
 当社の“Shrink to Grow”戦略はこれからも長期にわたって続けていくが、Grow にはそれを支えるタネと、育んでいくインキュベーターが必要だ。しっかりした方針と戦略で研究に取り組み事業の成長に結びつけていきたい。