2007年05月09日
環境省、塩ビサッシ窓の高断熱性を実測調査で確認
モデル採用の窓で実証、日中最大で4.6℃の温度差
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:環境省

 環境省が今年1月に東京・霞ヶ関の合同庁舎5号館で実施した「塩ビサッシ内窓」の断熱性能の実測調査(断熱性能ランニング試験)の結果がこのほど明らかになった。

 同省によると、今回の調査では、同庁舎内に設置した同内窓を長時間開放した場合と閉め切った場合との間で生じる執務室内の温度差が日中の平均で2.7℃に、また最大では4.6℃に達することが確認されたという。夜間の温度差はさらに大きく、平均で3.6℃、最大では4.7℃を記録したとされる。

 塩ビサッシと2重ガラスの組み合わせによる窓の持つ優れた断熱性能が公的にも実証されたわけで、同省ではこの結果を踏まえ、今年夏にも同5号館内の同省フロアー全体の窓に同内窓を追加設置して同省全体の省エネルギーとCO2の排出削減を一段と加速させたい考えだ。

 また、他の府省の間でも今回の同省の実験結果を評価して同内窓の採用を検討するところが出始めている。関係者の多くは、こうしたことが起爆剤となって地方自治体や一般市民の間にも断熱・省エネルギー性能に富む塩ビサッシ窓の存在が広く知られるようになり、普及に弾みが付くと予想している。

 今回のランニング実証試験は、同省が昨年9月23日から10月22日までの間に合計19個の塩ビサッシ内窓を設置した同5号館23階と26階のうちの23階北側の部屋。試験は、引き違い戸タイプの内窓の片方を開け放しにした場合の室温と閉じた状態を続けた場合の室温とをそれぞれ別個に測定する方式を採用した。試験期間は1月15日から21日までの1週間。

 その結果、塩ビサッシ窓の片方を開放した場合の日中の平均室温が20.7℃であった(同省ではこの冬場は暖房を停止)のに対して、閉じた場合の平均室温は23.4℃になるとのデータが得られた。つまり、同窓によって日中では平均2.7℃分の断熱効果が得られることが明らかになった。また、ピーク時の温度差が4.6℃に達することも確かめられた。夜間の比較試験では、平均で3.6℃、外気温が最も下がる時間帯の温度差は4.7℃になることが確認された。