2007年05月09日
三菱レイヨンも史上最高益の決算
主力のMMA製品が内外で順調な伸び
【カテゴリー】:人事/決算
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンが9日に発表した平成19年3月期の連結決算は、売上高が前期比19.5%増の4,170億2,700万円、営業利益が同53.9%増の596億6,500万円、経常利益が同50.5%増の584億7,100万円、当期純利益が同28.0%増の312億7,300万円となった。売上高も利益も史上最高となった。
 
 ただし同社では、前期から退職給付会計における数理計算上の差異の処理方法を変更して発生の翌年度に営業費用として一括償却するようにしている。このため、数理計算上の差異償却額(前年度は9億3,300万円の損、当期は142億900万円の益)を除いた当期の償却前実質ベースの営業利益は同14.5%増の454億5,500万円、経常利益は同11.2%増の442億6,100万円ということになる。これは、18年度3月期に発生した150億円の数理計算差異のうち営業利益および経常利益として142億円、当期純利益として約85億円償却したことによるもの。償却前実質当期純利益は同8.8%減の228億円となる。
 
 それでもなお実質ベースで増収・増益を確保できた要因について同社では、「主力のMMA製品の需要が国の内外でモノマーもポリマーもともに順調に伸びたこと、炭素繊維製品を中心に取り組んできた高付加価値製品の育成・強化が軌道に乗ってきたこと、すべての部門で進めてきたコスト合理化策が成果を上げるようになってきたこと、AN企業のダイヤニトリックスを完全子会社にして高効率の一体運営に切り替えることができたこと等のプラス要因が重なったから」(篠原敏文・常務取締役兼上席執行役員)と説明している。 昨年12月に生産を開始した中国の「恵州恵菱化成」のMMAモノマー9万トン設備の操業も極めて順調という。こうした好業績を背景に配当は年1円増配して同10円とする。
 
 一方、平成20年3月期の業績については売上高を同4.3%増の4,350億円、営業利益を同19.6%減の480億円、経常利益を同19.6%減の470億円、当期純利益を同24.9%減の235億円と予想している。ただし、19年3月期で28億円の数理計算差異が発生しているので、20年3月期では営業利益および経常利益として約20億円、当期純利益として約12億円が減算される。したがって、実質ベースの利益は、営業利益が同9.9%増の500億円、経常利益が同10.6%増の490億円、当期純利益が同8.3%増の247億円ということになる。配当はさらに1円増配の11円とする考え。設備投資額は19億円増の390億円、研究開発費は9億円増の120億円とする計画。為替は115円を
、国産ナフサ価格はキロリットル55,000円を想定している。