2007年05月09日 |
旭化成ケミカルズも好決算 |
今期も実質の増収・増益を見込む |
【カテゴリー】:人事/決算 【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ |
旭化成ケミカルズの藤原健嗣社長は9日に記者会見して同社の07年3月期の決算内容を明らかにするとともに08年3月期の業績見通しを披露した。 07年3月期の同社の業績は、売上高が前期比922億円増(14.0%増)の7,526億円、営業利益が同115億円増(28.4%増)の520億円となった。旭化成全体の業績に占める同社の構成比は売上高が46%(前期は44%)、営業利益が41%(前期は37%)となっている。 増収・増益となった要因としては、「アジピン酸、AN、SMなどの国際商品の需要が順調に伸びて原燃料の高騰分を製品価格に転嫁できたこと、ナイロン66の樹脂と繊維の事業がともに着実に成長したこと、リチウムイオン2次電池用微多孔膜「ハイポア」やイオン交換膜などの高付加価値製品の販売量が順調に伸びたこと、イオン交換膜法食塩電解プラントの中国向け輸出が増加したこと、等が上げられる」(藤原社長)としている。同社全体の売上高に占める高付加価値系製品の比率は17.4%なのでまださほど高くない。しかし営業利益に占める構成比は39.4%とかなりの高率となっている。 一方、08年3月期の業績については、売上高8,310億円、営業利益565億円と予想している。同社はこの4月に旭化成のライフ&リビング社を統合したので、08年3月期の見通しを07年3月期の実績と単純に比較するわけにいかないが、仮に07年の業績をL&Lの同期の業績も含めたものに積算し直して比較した場合の08年3月期の伸び率は売上高が3.2%増、営業利益が0.2%減ということになる。 売上高は微増にとどまり、営業利益はわずかながら縮小となる計算だ。しかしこのうちの営業利益予想額は、減価償却制度の改正によって16億円押し下げられることになる点を計算に入れてのものとなっている。「つまり実質ベースでは引き続き今期も着実に営業利益を伸ばしていける見通しであり、またそうしなければならない」と藤原社長は増収・増益の維持にかける意欲のほどを披露する。今期の設備投資額は、前期の438億円を大きく上回って926億円となる見通しという。タイにおけるプロパン法ANの設備の建設や水島事業所のコスト競争力の強化に多額の資金が必要になるからと説明している。 |