2001年07月06日 |
ポリオレフィン業界にナフサ価格スライド制の機運高まる |
欧米型の合理的価格変動システムへの移行に熱意 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:日本ポリオレフィン、日本ポリケム、三井化学 |
ポリオレフィン企業の間に、ポリオレフィンの価格決定システムを完全なナフサ価格スライド制に改めたいと考えるところが増えてきた。 これは、ポリオレフィンの販売価格を原料ナフサ価格の変動に合わせて自動的に上下させる方式に改めたいというもの。欧米ではかねてから一般的となっているシステムで、原料価格に変動があった場合に3ヵ月単位なり半年単位なりで販売価格もそれ見合いで変動させるケースが多い。それに対してわが国では、原料価格が上昇してかなり後になってから営業マンがユーザーの購買部門の担当者を訪ねて価格是正を要望し、同意が得られればはじめて改善するというパターンが繰り返されてきた。このための交渉は常に長期化して双方とも膨大なエネルギーを費やすことになり、しかも双方いずれにとっても整合性を有した姿での決着が容易でないという悩みが付きまとっていた。 こうしたなかで最近は、三井化学や日本ポリオレフィンなど一部の企業が欧米並みの“ナフサスライド制”への移行に踏み切っているが、なじみのないシステムとあってカバレッジはまだ低い。しかし、ここにきて日本ポリケムなど他の有力ポリオレフィンメーカーの間にも急速に同制度への切り替えを真剣に考えるところが出てきた。旧来からの“お願いベース”の決定システムでは合理的な経営が双方ともにできないとの判断によるもので、早急に実行計画を煮詰めるところがいくつか出てくる見通しにある。 |