2007年05月11日
三井化学、引き続き営業利益1,000億円の目標維持
藤吉社長が定例記者会見で改めて強調
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学の藤吉建二社長は11日に定例記者会見を開き、同社グループ全体の経営の現状と「04年中期経営計画」の進捗状況ならびに2010〜2015年を見据えた経営グランドデザインの概要を紹介した。

 経営の現状については、「目指してきた“量的拡大から質的拡大への転換”が着実に進展、その成果が全体の業績面にもはっきり現れるようになってきた」と述べ、TDIや機能樹脂などで構成される機能材料部門と先端化学品部門が特に順調に業績を伸ばして全体の収益力の強化にも大きく寄与するようになってきている点を強調した。

 一方、「04中計」の進捗状況については、「現時点での07年度の営業利益予想は900億円となっているので、このままいけば当初の目標はクリアできなくなる」と現状が楽観を許されない状況にある点を披露した。しかし、「04年度から07年度までの4年間の営業利益の累積は3,209億円となる見込みなので3,200億円という当初の4年間トータルの目標のクリアは十分可能」とも指摘、加えて「1,000億円の営業利益を確保するという年間ベースの目標は引き続き維持していく」と語り、大台確保に今後も挑戦し続けていく意欲が依然として旺盛なところを示した。

 そして、目標達成のために(1)プライムポリマーのシナジー効果の一層の拡大(2)PP自動車材料の世界展開の加速(3)フェノール設備の増強(4)機能性ポリマーズビジネスの充実・強化(5)電子・情報材料/ヘルスケア材料の拡大(6)高機能ポリマーの多目的セミコマーシャル設備や高機能フィルムセンターの活用による戦略研究開発プロジェクトの充実--等の経営施策を着実に実行に移していく考えも合わせて披露した。

 また、グランドデザインについては「利益率と規模のバランスが最適のかたちの収益を確保していくのが主眼で、2015年近傍の経営目標としては“営業利益1,500億以上、ROA10%以上”を掲げており、現在はその実現のための具体策を煮詰めているところ」と説明した。