2007年05月14日
三井化学、機能性ポリマー「ノティオ」を拡大 
自動車・建材から電子機器分野へ展開、シリコーンに代替
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は3月期決算発表の席上で、昨年発売したナノ結晶構造制御型のポリオレフィンエラストマー「ノティオ」の販売量を積極的に拡大、これまでの自動車、建材向けのほか電子機器用にも用途を広げ、本年度の重点製品の一つとすることを明らかにした。

 ノティオは従来のオレフィンゴムに比べ耐熱性、ゴム弾性、透明性に優れているほか、スチレン系ゴムに対しても耐熱性、軽量性、環境適合性などに優れ、とくに耐屈生が高い。このため産業用チューブとして自動車や建材の分野を開拓してきた。

 ここえきてさらに高い物性を発見したことからシリコーンゴムやウレタンに代替する分野に乗り出すことにしたもの。光学レンズ、プロテクトフィルム、保護粘膜剤、改質剤などの電子機器用が対象になっているとしている。

 同社はポリオレフィンエラストマー「タフマー」設備を現在、市原工場とシンガポール工場に各10万トン規模で操業しているが、当面はノティオを市原工場の設備を活用して生産する。

 また、同社は複写機のトナーについて今年4月に欧米の現地企業を買収してイメージポリマーズ欧州とイメージポリマーズ・カンパニー(米)を設立した。同じ7月にヘルスケア材料の三共アグロを買収。今年12月には衛材用不織布を現有の年1万4,000トンから3万トンに能力アップする。

 これら電子・情報、ヘルスケア材料なども、07年を目標とする「04中計」の重点材料に組み入れている。

 さらに多目的セミコマーシャルプラント(07年1月完成、岩国)、高機能フィルムセンター(07年3月試運転開始、名古屋)など戦略研究開発プロジェクトも展開、ポリオレフィン製品の高付加価値化を目指している。