2007年05月14日
プラ製容器包装の回収、06年度は微増に
再商品化も前年度の2.4%増にとどまる
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 容器包装リサイクル法に基づくプラスチック製容器包装の回収と再商品化(リサイクル)の06年度の実績はいずれも前年度の微増にとどまった。
 国の指定法人である日本容器包装リサイクル協会が同年度中に全国の市町村から引取った分別収集プラスチック製容器包装の総数量は548,839トンで、前年度の3.8%増、また同協会の委託を受けたリサイクル事業者によるリサイクル総数量は359,836トンで同2.4%増で、いずれも過去にない極端な低成長率となった。
 
 統計の対象のほとんどは、引取り数量の場合もリサイクル数量の場合も白色の発泡スチロール製食品用トレーを除く「その他プラスチック製容器包装」で占められている。
 「その他プラ」の総引き取り数量は547,937トンで前年度の3.9%増、また同トレーは902トンで同7.2%減となっている。年度初めの同協会の引取り予定数量に比較すると、全体では7.6%減、その他プラでは7.5%減で、ともに目標を下回ったことになる。
 
 一方のリサイクル数量のうち「その他プラ」は359,008トンで同2.4%増、同トレーは829トンで同6.6%減となっている。
 注目されるのは、「その他プラ」の手法別リサイクル実績のなかでマテリアル・リサイクル(MR)であるプラスチック製品化が前年度を47.2%上回っている点だ。反面、数量面のトップのコークス炉化学原料化は13.5%減となっている。また同じケミカル・リサイクル(CR)の一つの合成ガス化も前年度を8.4%下回っている。
 このようにMRとCRとの間の増減に大きな格差が生じてきたのは、容器包装リサイクル法に基づくリサイクル入札制度がMR優先型となっているためと見られている。06年度のリサイクル数量全体の伸びが縮小した大きな要因もこの点にあると指摘する関係者が多い。それというのも、優先事業者であるMR事業者の多くが分別収集された「その他プラ」のうち汚れのひどいものや異物が混入しているものをリサイクル対象から除外するのでせっかく分別収集された「その他プラ」のかなりの部分が有効利用されずに埋め立て処理されることになりがちだからだ。したがって最近の識者の間には、リサイクル量全体の数量の拡大を図るために入札段階でCRにもっと多くの枠を配分するように配慮すべきと主張する向きが増えている。
 
 06年度の「その他プラ」の手法別リサイクル実績は以下の通り。かっこ内は前年度比。
 ▽プラスチック製品化(擬木、パレット等)=128,491トン(147.2%)。
 ▽熱分解油化(燃料油等)=4,191トン(62.1%)。
 ▽高炉還元剤化=36,816トン(106.5%)。
 ▽コークス炉化学原料化=147,157トン(86.5%)。
 ▽合成ガス化(石油化学原料、燃料等)=42,353トン(81.6%)。