2007年05月15日
トクヤマの「3ヵ年計画」、順調に進展
中原社長が定例会見で目標のクリアを表明
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術、人事/決算)
【関連企業・団体】:トクヤマ

 トクヤマの中原茂明社長は14日、都内で定例記者会見を開き、06年度の業績概要と07年度の業績予想ならびに今年度を最終年度とする「3ヵ年経営計画」の進捗状況を披露した。
 
 このうちの「3ヵ年計画」の進捗状況については「多結晶シリコンをはじめとした企業化製品全体の価格修正が順調に進んできたのに加えて、多結晶シリコンの増産体制の整備への着手、中国おける乾式シリカ工場の建設開始、フッ化カルシウムならびに燃料電池用炭化水素系電解質膜の出荷開始、単結晶窒化アルミニウムの開発等々によって成長基盤の強化が着実に進展、さらには各種インフラの拡充や技術教育訓練センターの充実も円滑に進行しているので当初の目標は十分クリアできそう」と述べ、業績の向上にとどまらず企業体質の強化も順調に実現できつつある点を強調した。
 
 中原社長の発言概要は以下の通り。
 ○06年度の連結決算は売上高が11%、営業利益が42%、経常利益が47%、当期純利益が32%それぞれ前期を上回って増収・増益を維持できた。これには、化学品全体の価格の修正によって原燃料価格の高騰によるコスト負担分を吸収できたことと、多結晶シリコンの価格是正で営業収益の拡大を図れたこととが大きく寄与したと言える。
 ○セグメント別では、多結晶シリコンやプラスチックレンズ関連材料等々の特殊品部門の売上げと営業利益がともに大きく伸びた点が特筆できる。グループ会社の中ではサン・トックスの増収・増益が目を引く。
 ○07年度は原燃料費がさらに上昇する見通しにある。ナフサ価格は上期がキロリットル55,000円、下期が53,000円になると予想され、また石炭や金属珪素なども高騰が必至の見込みなので当社単体ベースでも今期の原燃料の高騰負担額は50億円となる見通しだ。また償却費や人件費さらには修繕費等も合計で60億円増える。したがって、全ての部門におけるコストの合理化の徹底と、製品価格への着実な転嫁が引き続き重要課題となる。
 ○07年度の連結業績については、売上高が前期比162億円(5%)増の3,090億円、営業利益が同2億円(1%)増の350億円になると予想している。うち営業利益は化学品部門が19億円(23%)の減益となる見通しだが、特殊品部門が18億円(7%)増え、またセメント建材・他部門も4億円(11%)増となって化学品部門の縮小をカバーすると予想している。
 ○一方当社では(1)事業の成長(2)機能の成長(3)インフラの成長--の3点を重要課題に掲げた「3ヵ年計画」を実施中で07年度が最終目標年度となっている。うち事業の成長については、中国における乾式シリカ工場の建設、ジーメンス法による多結晶シリコンの新設備の建設、ステッパー用レンズ材料のフッ化カルシウムの出荷開始、携帯端末向け燃料電池用炭化水素系電解質膜や深紫外発光素子の基板材料である単結晶窒化アルミニウムの開発等々で着実に成長基盤を強化できつつある。また、インフラや機能の充実・強化も狙い通りに進んでいる。
 ○こうした点から判断しても「3ヵ年計画」の進捗状況は順調と言うことができる。また、業績面の目標も十分クリアできると言ってよい。しかし今後も、成長の持続のため人・モノ・技術に対する資金投入は引き続き強化していきたい。