2007年05月21日
容リプラの再商品化手法論議が大詰めに
31日の産構審と中環審で議論を整理へ
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省

 容器包装リサイクル法に基づくプラスチック製容器包装の再商品化(リサイクル)手法を巡る有識者や関係業界の間における論議がいよいよ大詰めの段階を迎えた。
 
 経済産業省と環境省は21日に産業構造審議会と中央環境審議会の専門部会の合同会合を開き、プラスチック製容器包装の再商品化手法に関するこれまでの合同会合における議論を整理した「取りまとめ案」を示して各委員の意見を聞いた。その結果、基本的には同意できるとの発言が多数を占めたため、両省では、同問題を巡る議論はほぼ終了の段階にきたと判断、この日の各委員の発言内容も加味した最終取りまとめ案を5月31日に開催する合同会合で披露して最終的な審議を求めることとした。

 容器包装リサイクル法に基づいて分別収集されたプラスチック製容器包装は、現在のところその過半が材料リサイクル方法によって処理されている。これは、容器包装リサイクル法の施行当初からリサイクル事業者の入札受付に当たって材料リサイクル法を優先する政策を行政側が踏襲してきたことによる。この結果、最近では、高炉還元剤利用やコークス炉原料化、さらにはガス化等々の他のリサイクル手法の事業者が必要な原料を入手しにくくなるといった事態が生じ、さらには、異物が混入したり汚れがひどかったりする廃プラスチックを処理できない材料リサイクル法の欠点が表面化して全体のリサイクル効率の低下が始まるといった弊害も出てきている。
 そこで、両省では両審議会の下部組織として再商品化問題の専門委員会をスタートさせて論議を求めてきたが、この日の会合で意見がほぼ出尽くしたと判断していよいよ最終結論の取りまとめに入ることにした。
 31日の会合では、一定の条件付きでいましばらくの間、材料リサイクル優先策を続けるとの案が示されることになりそうだ。