2007年05月22日 |
冨沢・日化協会長が定例会見 |
環境対策への強い意欲を表明 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:日本化学工業協会 |
日本化学工業協会の冨沢龍一会長(三菱化学会長)は22日に開催された同協会の第121回理事会後に定例記者会見を開き、「かねて掲げている“環境・安全分野での諸課題への取り組み強化”をはじめとする三つの課題の着実な実現に向けて07年度も引き続き全力を投入していきたい」と述べ、使命遂行に対する旺盛な意欲を披露した。 同会長がかねて掲げている課題は(1)環境・安全分野での諸課題への取り組み強化(2)公益法人制度改革への対応と化学産業関連団体間の更なる連携強化(3)化学産業のプレゼンス向上の3項目。 この日の会見で同会長は「この中でも特に力を入れていくべきと考えているのは環境対策」と強調、「具体的なテーマとしては、REACHへの的確な対応と地球温暖化対策への取り組みの2点が挙げられる」と指摘して、それぞれのテーマへの取り組みの現状と当面の対策の概要を紹介した。 また、地球環境問題については「わが国の化学企業が保有している高度な技術を中国に紹介して活用を促すようにしたい」とも述べて、国際協力での温暖化対策の進展に寄与していきたい考えも披露した。 この日、同会長が明らかにしたREACH問題に関する同協会の今後の課題と地球温暖化対策に係わる同協会の主張は以下の通り。 ≪REACHへの当面の課題≫ ▽運用ガイダンス(RIPs)策定における当局への働きかけ ▽既存法規制/サプライチェーンへの対応 ▽適切な情報発信(webサイト、メール配信等)。 ≪京都議定書後の国際枠組構築に係わる日化協の主張≫ ▽現在の枠組みでは全世界の温室効果ガス排出量の3割しかカバーされておらず、次期枠組みは米国、中国、インド等を含むすべての主要排出国が参加するものとする。 ▽京都議定書では、基準年である90年以前に先んじて実施した省エネ対策が適正に評価されていないが、次期枠組みでは各国のこれまでの省エネ努力が反映された公平な削減義務量とする。 ▽新興国への省エネ技術等の移転に当たっては、ODAの活用による支援をする。 ▽今後の温室効果ガスの排出削減には省エネ技術・新素材の普及促進が不可欠であり、政府による一層の支援をする。 |