2001年07月05日
TEC、メキシコで重質油水素化分解プロセス実証化へ
「HTC法」耐久性高く低コスト
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東洋エンジニアリング

 東洋エンジニアリング(TEC)は5日、メキシコの国立石油研究機関IMPとの間で、TECが開発した重質油水素化分解プロセス(HTC)の共同実証化研究に着手することで合意したと発表した。

 メキシコで産出するマヤ原油には、硫黄や窒素、重金属類の不純物が多く含まれており、既存の水素化分解技術では触媒の活性低下が大きく、経済性に難点があるとされていた。
 
 TECは細孔構造の活性炭素に鉄を分散させた耐久性の高い触媒と沸騰床型の反応器を用い、100気圧程度と従来よりマイルドな条件下でこれらの不純物を効率よく除去する独自の重質油改質プロセス(HTC)の開発に取り組んできた。
 
 IMPは、国営石油企業(PEMEX)の関連研究機関で、TECとの共同による触媒評価に引き続き2002年度にもPEMEXのツーラ製油所の実証プラントを設置する見通し。
 
 石油需要はこのところ軽質のガソリン、灯油、軽油に消費が片寄り、重質油の需要は減少しつつあるが、同社のHTCプロセスはこうした流れに歯止めをかけることにもなるとして期待されている。