2007年05月25日
サウジがナフサの割増金の大幅増額を提示
需要家は強く反発、契約見送りの企業も
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:なし

 エチレンセンター筋によると、サウジアラムコは、日本ならびに極東地区の石油・石油化学企業や大手トレーダー等との間で今週明けから東京で始めたサウジ産ナフサの今年下期(7〜12月)取り引き分の価格交渉の場で、プレミアム(割増金)の大幅な引き上げを表明した。

 これに対して需要家側は各社とも強く反発、24日までに契約をまとめたところは皆無となった模様。多くが来週以降に改めてサウジアラムコと折衝する構えだが、サウジ側が今回の提示価格を引き下げる意思のないことを明言しているので、どうしても長期契約を継続したいところは高値を受け入れるほかなくなりそうだ。

 しかし、日本の石化企業の中には、サウジ側の要求を受け入れると自社の事業採算性が著しく損なわれるだけでなく、日本の石化産業全体にも少なからずマイナス効果もおよぼすことになると判断して契約を見送るところも出てきている。三菱化学もその一つで、同社は今年上期分に続いて契約の見送りとなった。

 今回の交渉の場でサウジアラムコが日本側各社に提示した新たなプレミアム額は、軽質NGL(通称 A-180)がトン当たり25ドル、ラビーグ積みのフルレンジナフサが同22.5ドル、ジュベール積みの同じくフルレンジナフサが同20.5ドルであった。いずれも7月以降のプラッツオイルグラムならびにアーガスの日本着C&F価格の中値からサウジ−日本間の船賃を引いた価格に上乗せされる。

 今年上期のプレミアムは、A-180が同8.5ドル、ラビーグのフルレンジが同7.0ドル、ジュベールのフルレンジが同5.25ドルであった。それ以前の2半期を大きく下回るレベルに引き下げられたが、今回はいずれもそれを大きく上回っている。また、先にアドノックが提示した7月から来年6月までのプレミアムに対してもかなり高い。このままいくと、サウジからのコントラクトもののナフサの輸入が激減することになる。