2007年05月28日
VECとJPECが「リサイクルビジョン」を作成
業界挙げての活動の現状と今後の施策を紹介
【カテゴリー】:行政/団体(原料/樹脂/化成品、環境/安全)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会(VEC)は25日、同協会と塩化ビニル環境対策協議会(JPEC)とが共同で塩ビのリサイクルに関する考え方を取りまとめた『「リサイクルビジョン」−私たちはこう考えます−』の概要を発表した。
 
 同ビジョンは、両組織の構成各社が「塩ビが環境にやさしい製品である点や現在の塩ビリサイクル体制の整備の順調な進捗状況、さらに塩ビ関連業界がリサイクルシステムの充実にこれまで以上に力を入れていくことにしている点などをもっと多くの需要家や市民の方々に知っていただきたいと考えた」(宮島正紀・同協会リサイクル推進委員長)ことから作成されたもの。
 
 塩ビが3Rに適した素材である点を様々なデータを用いて丁寧に説明するとともに、塩ビ産業界全体のリサイクルに関する基本的な考え方とこれから一段と拡充していくことにしているリサイクル活動の内容を詳しく紹介している。

 今後の活動に関しては、初めに「環境合理性と経済合理性に基づいて、社会に貢献する塩ビのリサイクルシステムの構築を塩ビ産業界全体で推進します」と宣言、そしてその目的を達成するため(1)リサイクルシステムの拡充と技術開発を目的にした5年間トータル20億円以上の資金の投入(2)リサイクル活動の窓口としてのリサイクル相談受付と情報提供(3)リサイクル品の市場の拡大の3つの施策を着実に実行していく旨を表明している。

 同ビジョンは「総論」と「各論」とで構成。「総論」では(1)循環型社会の形成に対する塩ビの貢献(2)塩ビ業界ならびに関連企業によるリサイクル活動の現状(3)塩ビ業界がこれから進めていこうと考えているリサイクル活動の3項目について簡潔に紹介している。

 (1)の項目では、石油依存度が低いのでエネルギー消費やCO2の排出量が少ないこと、寿命が長いので廃棄物の発生抑制に寄与できること、リサイクルが容易なこと、など塩ビが持つ強みについて解説。続く(2)項では塩ビのリサイクルの仕組みや施設の現状を紹介、(3)項では、リサイクルのために塩ビ業界が今後どういった活動を進めていくことにしているかを詳しく述べている。

 この中で「塩ビの用途と加工方法の多様性を考えると、多様性に応じたリサイクルシステムの構築とその基盤の整備が重要」と指摘して、マテリアルリサイクルだけでなくサーマルリサイクルも視野に入れた施策の展開が必要との考え方も示している点が注目される。