2007年05月29日 |
PEとPPの5月の値上げ交渉が相次ぎ決着 |
大口取り引きの一部を除いて満額回答も |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況) 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィン各社がフィルムメーカーなど樹脂加工企業各社との間で進めてきた“第8次”価格交渉がここにきて各地で急速に進展、月内にはごく一部を除いて樹脂メーカーのほぼ希望通りの上げ幅で決着する見通しとなってきた。 今回の価格交渉は、原料ナフサの4〜6月期の価格が1〜3月期の1キロリットル当たり48,000円がらみから同55,000〜56,000円に跳ね上がる公算が濃厚となってきたことから始まったもの。ポリオレフィンメーカーの多くが5月の出荷分からナチュラル品種を1キログラム14〜15円引き上げることにして需要家各種に受け入れを強く求めてきた。 これに対して需要家の多くは、最初こそ強硬に反発していたものの時が経つにつれて全面的に押し戻すのは無理との判断に傾き、この2〜3週間は専ら上げ幅の縮小に交渉のエネルギーの多くを傾注するとこころが多数を占める状況となっていた。 しかし、その後も樹脂メーカー側が引き続き満額回答を強く求めて引き下がらないままきたことから結局は当面の原料確保を優先せざるを得なくなった需要家側が譲歩する形となっている。 この結果、今後加工企業各社は製品価格への早期転嫁に全力投球していかざるを得なくなる。しかし食品メーカーや大手量販店が反発するのは必至と見られる。しかも、6月に入るとポリオレフィンメーカーが7〜9月期のナフサ高を予想して再値上げを打ち出す構えにある。樹脂加工業界の苦難はまだしばらく続きそうだ。 |