2001年07月05日
三菱化学、PTAの価格を内外とも再是正へ
国内需要家向けの2Qはさらに3円引き上げ
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 三菱化学は5日、PTA(高純度テレフタール酸)の販売価格を国内需要家向けも海外ユーザー向けもともに再是正すると発表した。
 国内向けは、現在、4~6月期分を1キログラム当たり5円引き上げることにして各ユーザーを説得しつつあるが、それに加えて7~9月分をさらに同3円値上げする。1~3月期に比べると7~9月期の価格は同8円のアップということになる。大手需要家向けは同平均93円に改められる。

 一方の輸出価格については、現在進めている6月分の底上げを早急に完遂するのに続いて、7~9月期のCFR価格をトン当たり30ドル引き上げる。現在は、6月分を同15~20ドル上げる交渉に取り組んでいて徐々にユーザー筋の同意を得つつあるが、7~9月期中にさらに30ドル値上げして同570~580ドルに持っていきたい意向。

 こうした内外価格の再是正は、原料のパラキシレンの価格が続騰していてPTAの採算が一段と悪化している事態を改善したいという狙いによるもの。PXの価格は、国内でも欧米でも引き続き上昇中。6月の国際相場はトン当たり515ドル平均で、前月よりさらに20ドル上がっている。しかも7~9月期分は30~40ドルの引き上げをPX各社が通告してきている。PXの需給は国際的に依然として引き締まっているのでPTAメーカーなど需要家が押し返すのは容易でない。

 PTAの需給バランスも内外ともにタイトな状況にある。加えて、台湾や中国の大手PTAメーカーが関連施設のトラブルや定修で一定期間運休する事態も発生している。こうした背景もあって同社に先駆けて三井化学もおおむね同様のないようの値上げを決めている。