2007年06月12日
VCMの6月の対中輸出価格が大幅アップ
東ソーがトン760〜770ドルで契約
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーはこのほど、中国の大手PVC(塩ビ樹脂)メーカーとの間でVCMの6月の輸出価格をCFRトン当たり760〜770ドルとすることで契約をまとめた。同社の要求がほぼそのまま中国の需要家各社に受け入れられた模様。
 
 3ヵ月連続の値上げであり、5月の価格に比べると同40ドル高となる。率にすると約5.5%のアップで、最近ではめずらしい高率の値上げとなっている。今年のボトムの1月の価格に比べると同130ドル(18%強)高い。
 
 同社が6月分を大幅に引き上げることにしたのは、原油の国際価格の続騰によってVCMの原燃料費全てが一段と大きく膨らみ、輸出についても採算の確保が困難となってきたため。

 一方、中国の需要家各社が同社の要求を受け入れることにしたのは、PVCの国内需要の順調な拡大と輸出の増加によって同モノマーの需給が再びタイト化しはじめたためと見られている。欧米向けのPVC加工製品の輸出が好調に推移していることも需要の拡大の要因の一つになっているようだ。
 
 わが国のVCMメーカーによる中国向け輸出価格が760超えとなったのは、04年11月の800〜810ドルいらい2年7ヵ月振り。現在の需給タイト化傾向が続けば、7月の契約価格は04年11月と同じレベルもしくは若干上回る水準となりそうだ。