2007年06月13日
チッソ、世界初「合成コラーゲン」事業化へ 08年上市目指す
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:チッソ

 チッソは13日、合成コラーゲンの事業化に向けて本格取組みを開始したと発表した。製造特許(発明者:谷原正夫・奈良先端科学技術大学院大学教授)を持つPHG社(本社:京都府精華町、古谷嘉章社長)から、今年初めにライセンスを受け、検討してきた。

 天然コラーゲンは、繊維状のたんぱく質で、3重らせん構造をもち、加熱すると変性してゼラチンになる。主に動物から採取し、食品原料、化粧品などのほか医療用として利用されている。しかしBSE問題から、牛のコラーゲンは敬遠されてきた。

 合成コラーゲンは、谷原教授によって世界で初めて合成に成功したポリペプチドで、天然コラーゲンと同じアミノ酸配列をし、3重のらせん構造をもっている。
 
 原料のアミノ酸が非動物由来のため、BSEやアレルギーの不安がなく、天然コラーゲンに比べて無臭で、熱安定性に優れるなどの特徴がある。このため特に安全性が重要視される化粧品や医療用材料分野を中心に市場展開したい意向で、2008年度中の上市を目指す。合成品の生産は世界初となる。

 同社は現在、魚燐コラーゲンペプチド「マリンコラーゲンオリゴ」を、主に健康食品素材として販売している。なお、合成コラーゲンは、今月20日から東京で開催される国際バイオエキスポに展示する。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1181714864.doc